売上低迷から売上を上げる方法:3年で売上2倍に!私のU字回復体験!
このメッセージでは
様々な内的・外的要因で売上が低迷しているお店
売上低迷を脱して売上回復したいお店
売上を上げたいがその方法がわからないというお店
に向けて
売上低迷から3年で売上が2倍というワタシの売上U字回復体験を通して、売上を上げる方法をお伝えできたら嬉しいと思います。
2011年3月11日、東日本大震災がありました。
2009年にワタシが担当となった売場は売上前年比が次のように推移しました。
- 2010年:売上42%アップ
- 2011年:売上36%ダウン
- 2012年:売上 1%ダウン
- 2013年:売上37%回復
- 2014年:売上16%アップ
- 2015年:売上31%アップ
- 2016年:売上17%アップ
2012年の売上は3年後の2015年には2倍になりました。
まさにV字回復ならぬU字回復となりました。
地震からの時間経過で売上回復したのでは?
と思うかもしれませんが、他の店舗は3年で15%しか回復できなかったのです。
売上を上げるのは難しいと思われるかもしれません。
ですが
ワタシの体験から思うのは「ある線をちょっと越える」と、大きく売上は変わるということです。
「その線をちょっと越える」のは暗くて狭い森を抜けて、明るい広々とした海辺に出たような感じです。
でも
「その線をちょっと越える」のにワタシはかなり苦しみましたし、1年以上もかかりました。
- 販売者視点から顧客視点に変わると、どのような劇的な変化があるのか?
- 他責思考から自責思考に変わると、解決策が見えてくる
- STP分析やマーケティングミックス4P・4Cという基本のマーケティング施策で売上回復できる
ワタシのU字回復体験を「軽々とその線をちょっと越える」のに役立てていただければ幸いです。
いま売上の低迷に苦しんでいるお店が諦めることなく、今一度、お店や売場を見直して売上回復に一歩を踏み出していただくことを願っています。
このメッセージは売上36%ダウンの2年後から4年間売上更新し2.43倍に売上を伸ばした創客POP広告クリエイター西村が発信しています。
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創客マーケティング・アドバイザー 西村まさゆき
・販売士1級
・販売士養成登録講師
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■売上を上げるための考え方、行動、方法[小規模小売店向け]
売上を伸ばす施策がわからない、成果に結びつかないお店に向けて売上40%ダウンの2年後から4年連続売上更新し2.43倍に売上を上げたワタシの実体験の販促方法を紹介。実践していただければお店、売り場、従業員が顧客中心に変わり客数が増え、売上が上がります。
小売店を運営しているなかで売上を伸ばすための施策が成果に結びつかないというお店がいらっしゃいます。そして何からどのように手をつければ良いか迷っているという小売店もあるようです。私の体験が参考になるかもしれません。
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目次
■ワタシが担当した売場の売上低迷の始まり
2011年3月11日、東日本大震災がありました。
大震災の影響でワタシが担当した観光売店売場のお客様が大きく減リました。
来場するお客様は当然のように購買マインドが低調でした。
売上低迷の最も厳しかったのが2011年、2012年のことです。
2011年の売上は一気に前年比で36%落ち込みました。
売上低迷の1年目です。
2010年は観光売店売場の担当になって1年で42%も伸ばしていたのに
その落差は大きかったです。
震災翌年の2012年はさらに厳しい状況となり売上が低迷。
2011年は2月までは普通の営業ができていましたから。
それに
東北地方から、こちらの方へ旅行先を変更していらっしゃる
お客様も少しおいでたのではないかと思います。
2012年は年初から厳しい状況が続きました。
お客様は大きく減リ、来場したお客様のお買い上げは少なかったです。
売上回復はなかなかしませんでした。
それはそうです。
ワタシはただ客数の回復を待っていただけなのですから
何もしませんでしたし
何をしていいのかもわかりませんでしたから
もちろん
何も考えていなかったわけではありません。
2010年から42%売上を上げた方法は継続していました。
それだって目一杯やってのことです。
これ以上どうすればいい?
どうすればいいのか?全くわかりませんでした。
■更に試練が!売上分解ツリーに売上を上げる方法がない
売上を上げる方法には4つあります。
・商品を変える
・売り方を変える
・売値を変える
・見せ方伝え方を変える
ところが
売上を上げる方法がどんどん封じられていきました。
売れないワタシの売場に更に試練がやってきます。
扱い商品の半分ほどが食品であったため売れないので賞味期間切れになり商品ロスが出ていました。
委託販売でしたのでそれらの商品ロスは取引先の利益減になります。
幾つかの取引先が売れない、商品ロスが出る、利益が出ないということで商品供給を断ってきました。
委託取引で商品が売れ残って廃棄すれば取引先の利益がマイナスになるからです。
取引を継続していただいている取引先も、新規商品はもちろん今ある商品も渋々持ってくるようになりました。
他の売場には商品を持って行っても、ワタシの売場には持ってこない。
理由はわかります。
売れていない売り場に商品を供給する仕入先なんてありません。
でも
「冷たいな~、そんなものか世の中は」と思いました。
後には
取引先自体も経営状況が芳しくなく廃業していく取引先が出てきます。
その中には売上の20%を占める主力の取引先もありました。
これで
今ある商品より売れる商品に変える」という売上を上げる方法は使えなくなりました。
委託販売ですので売値の決定権は仕入先にあります。
「売値を変える」という売上を上げる方法も使えません。
「売り方を変える」、「見せ方、伝え方を変える」という売上を上げる方法もまた売上分解ツリーに基づいて行います。
売上分解ツリーは売上を構成要素に分解して分析し、問題の原因を明らかにして改善策を見出します。
分解する構成要素は決まったものではなく、いろいろな切り口から考えることができます。
ワタシの使っている売上分解ツリーは下図のようになります。
この売上分解ツリーに売上を上げる方法は見い出せませんでした。
なぜなら
2009年から2010年にかけて売上を42%伸ばしたのは、この売上分解ツリーに基づいて次のようなことを目一杯行っていたからです。
- 視認率や買上率を高めるためにPOPを書く
- 売れ筋商品に立寄りしやすくするために商品の配置を変更する
- 視認率を高めるためのボリューム陳列を行う
売上分解ツリーに基づき42%伸ばしたのに、その売上が36%ダウンしてしまったのです。
売上分解ツリーを見ても、これ以上何をすればよいか、思い浮かびませんでした。
売上を上げる方法が見つけられない状態でも、日々の営業は継続していました。
■赤字運営が続き、売場の閉鎖が検討される
どうやって売上を伸ばせばいいんだ。
ワタシの中にはもう手はありませんでした。
赤字運営が続く担当売場の閉鎖が検討され始めました。
「これ以上売上は伸びないだろう」
ワタシが言い出したわけではないので気は楽でした。
「仕方ないですね、そうするしかないですね」
悔しいけれど、気持ちの中ではそう言いたかったところもありました。
肩の荷が降りるから。
でも
ワタシはそう言いませんでした。
なぜなら
どんなに小さな売上でもある売場を閉めるとお客様にとって魅力が落ちます。
一時、赤字部門がなくなり利益が増えても、やがて次の赤字部門が出てきます。
数字や机上では他の売場でカバーできると思っても、実際は全体売上は下がります。
経験上、それがわかっていたからです。
売場を閉めたら負のスパイラルに嵌まるだけです。
そして
売場を閉鎖することもなく、売上が回復することもなく、日々が過ぎていきました。
そんな中で痛切に感じたことがあります。
「お客様は来てくれない
来たお客様は買ってくれない
取引先は卸してくれない
どうすればいいんだ?」
口には出して言わないけれど、その言葉が毎日、頭の中を巡っていた。
これが現実、当たり前なのだと毎日、思いました。
幸いなことに何故か私は自分のそういう想いから少しずつ距離を置くことができました。
そして転機が訪れたのです。
■売上を上げるには「アンタが変わるしかない」
いつものように、レジカウンターの中にお客待ちのワタシがいました。
お客様がいらっしゃらないレジカウンターの向こう側をぼんやり見ていました。
何故か・・・頭の中で
ワタシの中のワタシがワタシに語り始めました。
まるで
レジカウンターの向こう側にいるワタシが
レジカウンターの中にいるワタシに
言っているような感じです。
「アンタはお客様が来てくれないって言うけど
毎日少しでも来てるよ
アンタの目の前にいるよ」
「アンタは来たお客様は買ってくれないって言うけど
毎日少しだけど買ってるよ
少しだけど売れてるやろ」
そして
こんな言葉も聞こえてきた。
「アンタは取引先は卸してくれないって言うけど
売れてなくても
なんとか持ってきてるよ」
さらに
言葉が続きます。
「アンタはお客様が来てくれないって言うけど
来るか来ないかわかりもしねえ遠くのお客のことを考えてんのか
アンタの目の前にいるオレは何なんだ、お客だろ」
「アンタは来たお客様は買ってくれないって言うけど
アンタ、お客に何も勧めていないよな
商品の説明もしないよな
欲しければ買って行きなっていう態度だな」
「アンタは取引先は卸してくれないって言うけど
少なくても売場に持ってきた商品はちゃんとあるやろ
売れれば、利益になればいくらでも商品は持ってくるよ」
「お客様は来てくれない」
「来たお客様は買ってくれない」
「取引先は卸してくれない」
「~してくれない」と言っていたワタシが
「お客様は毎日少しでも来てくださる」
「来たお客様は少しでも買ってくださる」
「取引先に持ってきて頂いた商品がある」
「~がある、~していただいている」と気付くワタシになっていた。
「ジブン以外の人が~してくれない」
のではなくて
「ワタシが~していない」
のだ。
ワタシは大きな勘違いをしていたことにやっと気付き、どうすればいいのかがわかりました。
「目の前にいるお客様に
今ある商品を
買っていただけるように
ワタシがすればいいんだ」
小さな明かりが見えてきました。
「売上を上げるにはワタシが変わるしかない」
■売上を上げるには販売者視点から顧客視点へ変わる
「お客様に買っていただけない」という思いから
「買っていただくにはワタシが何かすればいいのだ」という思いの変化には
販売者視点から顧客視点への変化がありました。
そういう観点からすると
「売れた」
ということは
「お客様が(買いたいと思って)買った」
ということです。
「売れない」
ということは
「お客様が買いたいと思わなかった」
ということです。
そうすれば
「売れるには」
次のように考えればよいことになります。
「どうしたら買っていただけるか?」
そして
「お客様に買いたいと思わせるにはどうしたらいいか?」
「目の前にいるお客様に
今ある商品を
買っていただけるように
ワタシがすればいいんだ」
方向は見えてきた、でもどうすればいい?
■売上を上げる考え方が2つの数字から見えてきた!
悶々と考える日が続く。
そんな時、2つの数字が頭に浮かんだ。
「客数支持率 25%」と「非計画購買率 86%」
❏客数支持率 25%
客数支持率とは売場の入店客数(入場客数)に対する買上客数の比率です。
ワタシの担当売場と同じ施設のなかで最も客数支持率が高い売場が25%だったのです。
これはその売場に100人の入店客数があったとしたら、買上客数が25人だったということです。
もっと簡単にいうと、その売場の入店客100人のうち、25人が買ったということです。
この数字が気になって考えてみました。
入店客100人のうち25人が買った。
ということは
75人のお客様はせっかくお店に入ったのに買わなかったということ?
もったいないな~、それだけのお客様しか買っていただけなかったのか。
では
売上が10%伸びるためにはどうすればいい?
買う人が25人から、もう3人増えて28人になればいいんじゃない!
買わなかったお客様75人のうち、たった3人に買っていただければ、10%売上が伸びる。
そんなに難しいか?
ワタシも何かすれば、お客様に買っていただけるんじゃないか?
と思った。
❏非計画購買率 86%
総合小売業の日常的な買い物における非計画購買品目数の割合は86%。
以前なにかの本か記事で目にしていたのです。
非計画購買とは簡単に言うと入店する前には購買予定が無かったのに結果的に購買してしまった。
いわゆる衝動買いのことです。
86%もの商品が計画的に購入されない、衝動買いされるということです。
・特売だったのか
・お店の提案に乗ったのか
・素敵な陳列だったのか
・販売員がうまい接客だったのか
それはわからないけれど、9割近い商品をお客様は店内で買うと決めるということです。
ワタシも何かすれば、お客様に衝動買いしていただけるんじゃないか?
と思ったのです。
「目の前にいるお客様に
今ある商品を
買っていただけるように」
と
「ワタシも何かすれば、買っていただけるんじゃないか?」
「ワタシも何かすれば、お客様は衝動買いしていただけるんじゃないか?」
が結びつきました。
それで、具体的にどうする、何をすればいい?
2010年は42%伸びたけど、36%ダウンしたのだから、そのやり方はもう通じない。
やり方を見直すしかない!
これまでのやり方ってなんだっけ?
ただ売上分解ツリーに沿って、売れるようにしていただけじゃないか!
「目の前にいるお客様に
今ある商品を
買っていただけるように」
- 目の前にいるお客様って、どのようなお客様だったっけ?
- 今ある商品は何かもっと買いたくなる価値はないのかな?
- 買っていただけるようにワタシにできることは一体、何?
これって
店作りを決める「ストアコンセプト」ってことじゃないか!
「売れるようにしていただけ」ってコンセプトじゃないよな。
おいおいおい・・・今まで何やっていたんだ?
何も考えてなかったということじゃないか。
どのようなやり方で行くのか、どのようなお店にするのか
まずはストアコンセプトづくりから始めよう!
■売上を上げるにはストアコンセプトが必要
「ストアコンセプト」とはお店の基本理念をいい、店舗経営における基礎となる考え方です。
お店を運営する上で、どのような店にしたいのか、どういうお客様を想定するのか、何を売るのか、どのように売るのかということをはっきりさせることで、統一感のあるお店作りになります。
具体的にストアコンセプトは「誰に」「何を」「どのように売るか」を考えます。
- 誰に:お店が想定する中心となるお客様像
- 何を:お客様にとっての価値に対しお店が提供できる商品やサービス
- どのように売るか:お店の特徴や強みを活かした価値の提供方法
ワタシの担当する売場のコンセプトは次のように設定しました。
*************************************
・誰に:
日本人で、北陸以外の方で、美味しい物、海産物好きの方、個人旅行でお土産不要の方をメインのお客様とする
その他のお客様については商品管理だけで対応する
・何を:
北陸に来て買えるもの、美味しいと自信を持てる物、価値があり誇りの持てる物
・どのように売るか:
商品の価値を抽出し、表現し、六感に訴えて伝える(試食、POP、商品管理、売場管理など)
*************************************
お客様の8割は外国人ですが敢えて日本人をターゲットに設定しましたは。
外国人の方には商品管理の面で対応することは可能です。
団体旅行のお客様もメインターゲットとしませんでした。
年々団体旅行が減少し個人旅行が増えているということが一点。
もう一点は個人のお客様にとって価値あるものは団体のお客様にとっても
価値あるものだという考え方からです
お土産不要のお客様をメインターゲットとしました。
お土産需要も年々減少しています。
お土産としてほしいものはストアコンセプトで売りたいものとする商品と同じと考えました。
自身がおいしいと感じたもの、価値があると感じたもの、北陸に来て買えるものがお土産にも最適と考えるのではないかという考え方からです。
■売上を上げる方法が見えて実行に移す
ストアコンセプトは間違っているかもしれませんが、そのときは修正すればいいだけなのでこのコンセプトで進めてみることにしました。というより
大震災から悶々と苦しんできて1年以上が経ち、これ以上考えるエネルギーもありませんでした。
また
販売者視点から顧客視点への線を越えたのは暗くて狭い森を抜けて、明るい広々とした海辺に出たような感じで確信はないものの希望に溢れていました。
ストアコンセプトが決まってしまうと具体的な売上を上げる方法がスムーズに見えてきました。
ワタシが設定したストアコンセプトに基づいて、以下のような売上を上げる方法を実行に移しました。
- コンセプト商品の継続品揃え
- コンセプトに基づく商品配置に変更
- 試食アイテムの大幅増
- 商品の提供価値の徹底調査
- POPによって価値を伝える
この時すでに大震災から1年半が経過していました。
❏コンセプト商品の継続品揃え
ストアコンセプトに基づく商品を品揃えさせ続けるため、委託販売でありながら売れ残った商品は私が買いました。
売れない、利益が出ないから取引先が引き上げることのないように商品ロスを出さないようにしたのです。
売場の商品を今以上に減らしたくなかったのです。
取引先に返品はしない、取引先の商品ロスにはしない、だから商品は継続して入れてくださいということです。
売上がそれほど大きくはなかったので売れ残る商品もワタシの月の小遣いで賄えました。
それでも月1万円ぐらいになりましたし、時には妻にこれだけは絶対買ってこないでと言われたことも。
ある時には売れ残った開きアジを10枚ほども買いました。
本当に美味しいと評判の開きアジでしたが売れ残ることもありました。
家の冷凍庫もいっぱいで一度に5枚も食べてこなしていました。
それは売上が2倍に伸びた後もそうでした。
それくらい取引先は商品を卸してくれないという思いが強いですし、取引先の経営状態の厳しさもわかるからです。
そのおかげで商品を入れても返品はしない、商品ロスにはしないとの信用がつき、新規商品も入れてくれるようになりました。
販売力がついたということもあって
取引先から「売れなかったら返品してもらってもいいから売ってみて欲しい」
と言われるようにもなりました。
それでも、品揃えを拡大するのは慎重でした。
それはそうです。
とにかく売ることに必死でしたし、品揃えが増えれば更に頑張らないと行けないですから。
その結果売れなければワタシが買い上げするのですから、ワタシの小遣いにも限界があります。
❏コンセプトに基づく商品配置に変更
ストアコンセプトに基づいて売場の商品配置の変更を行いました。
これまでのように売れるものを売れやすい場所ではなく、ストアコンセプトに基づく商品をアピールできる場所にもっていきました。
その商品群をなぜそこに置くのか、売れるためではなく、〇〇というおすすめの理由があるからここに置きますという感じです。
売場の各コーナーにはテーマができてきました。
このコーナーでは「〇〇というおすすめの理由」で関連商品を集めました。
ぜひご覧になって見てください!というわけです。
❏試食アイテムの大幅増
食品を多く扱っていましたので試食を多くしました。
食べて美味しいのは食品のメイン価値ですから、それを伝えるには試食が一番です。
それでも
何でもかんでも試食にだすわけには行きません。
これも取引先の了解が必要です。
試食を出しても売れなければ利益が減ります。
取引先に利益を出していただかなければ、商品供給もなくなり営業の継続ができません。
❏商品の提供価値の徹底調査
今ある商品をより売れる商品に変えることはできない。
新しい商品を仕入れることはできない。
今ある商品しか売ることができない。
「目の前にいるお客様に
今ある商品を
買っていただけるように」するには
今ある商品に買っていただける価値を見出すしかありません。
今ある商品に買いたいと思っていただける価値はないか?
徹底的に調べました。
それが、あったんですよ。
調べてみると思わぬ価値がたくさん見つかったのです。
例えば次の「いしり」という商品は調べてみるとアピールポイントが数倍になりました。
当初ワタシのPOPに書いていたのは次のようなコピーでした。
・能登の伝統食品
・いしり
・500ml入り
・540円
「いしり」を調べた後では次のようになりました。
・能登の伝統食品
・石川県ふるさと食品認定商品
・江戸時代から続く伝統製法
・3年熟成!
・いしり
・日本三大魚醤で一番生産量が多い魚醤です
・日本海の新鮮なイカを原料として使っています
・最も寒い雪が降る11月から3月の間に仕込んでいます
・一夜干しや貝焼き、いしり鍋は絶品です!
・お鍋、おでん、チャーハン、カレーライスに少し使うと味に深みが出ます
・500ml入り
・540円
どうでしょう?
同じ商品が数倍買いたくなったように思いませんか?
このアピールによって
以前はロスにもなることのあった「いしり」は
数倍売れるようになりました。
❏POPによって価値を伝える
今ある商品を徹底調査して価値を見出しても、それを伝えてお客様が買いたくなり、実際に買っていただかなくては、売上は上がりません。
そのために何ができるか?
POPだけは書けるな。
ワタシは下手だけど、POP広告クリエイターだしな。
そうだ!POPでお客様に価値を伝えるように働きかけよう!
これまでのPOPよりずっと中身の濃いPOPにできそうだし、買っていただけるかも。
■売上低迷から3年で売上が2倍というワタシの売上U字回復体験
2012年9月からストアコンセプトに基づく売上を上げる方法を実行に移していきました。
半年が経過し2012年を締めてみると売上は前年より1%ダウンでした。
それでも
売上を上げる5つの方法によって2012年の後半6ヶ月間にわずかながら前年比を越える月が3ヶ月ありました。
ほんの上向きの兆しという感じでした。
そして
2013年から売上は大きく上昇し始めたのです。
売上が前年を越える月が年ごとに増えていきました。
売上の底であった2012年から3年後の2015年には売上は2012年比で2倍を越えました。
2009年に担当となった売場は
2010年に42%売上を伸ばしたものの
2011年、2012年は売上が低迷
2013年から売上のU字回復が始まったのです。
図はワタシの担当売場の売上が3年で2倍になった売上、客数、客数支持率(買上率)、客単価のグラフです。
2012年を100として表しています。
ワタシが当初売上分解ツリーから予想していたものとは違う結果でした。
図を見てわかるようにPOPが客単価を押し上げるという予想は外れました。
POPによって買上率が高まったのが売上の伸びた主な原因です。
お客様からの反応はよくわからないことが多いです。
確かなことは
お客様視点に立ち、お客様にとってご利益があることを、伝えて提案すればお客様は応えてくれるということです。
【まとめ】では売上を上げる5つの方法をマーケティングの面からみてまとめてみたいと思います。
・様々な内的・外的要因で売上が低迷しているお店
・売上低迷を脱して売上回復したいお店
・売り上げを上げたいがその方法がわからないというお店
に対して
ワタシの売上低迷から続くU字回復体験が参考になり、売上を上げるお役に立てれば幸いです。
お店が売上を伸ばす為に参考となる記事はこちら
売上を上げるためには公式、5原則、具体的施策より重要な3つの考え方
売上を上げる人最強販売員の考え方、行動4つの特徴、接客5つのコツ
個店が売上を上げる方法はお客様を思い価値を高め売れるPOPを書くだけ
■まとめ:マーケティングの視点からワタシの売上を上げる方法を確認
- 売上低迷から脱却し売上を上げる方法を見出すには販売者視点から顧客視点に、他責思考から自責思考に変わることが必要
ワタシの担当売場の売上低迷から続くU字回復体験からそのことはよくわかっていただけると思います。 - 売上を上げるにはストアコンセプト:「誰に」「何を」「どのように売るか」を決める
これはマーケティングでいうSTP分析です。
STP分析とは、市場(お客様)を「セグメンテーション」により細分化し、「ターゲティング」で狙うべき市場(お客様)を定め、「ポジショニング」によって競合との差別化を図る(お店の特徴を出す)ことで、効果的なマーケティング戦略を策定するためのフレームワークです。
ワタシの担当売場ではインバウウド、県外客、県内客、団体、個人、嗜好、行動などからセグメンテーションし、「日本人で、北陸以外の方で、美味しい物、海産物好きの方、個人旅行でお土産不要の方」をメインのお客様とターゲティングしました。
ポジショニングではおすすめするものを「北陸に来て買えるもの、美味しいと自信を持てる物、価値があり誇りの持てる物」とし、商品の価値を抽出し、表現し、試食、POPにより伝えることを強みとしました。 - 具体的な売上を上げる方法は以下の5つのものがありました。
・コンセプト商品の継続品揃え
・コンセプトに基づく商品配置に変更
・試食アイテムの大幅増
・商品の提供価値の徹底調査
・POPによって価値を伝える
これはマーケティングミックス4P(店舗視点:商品、価格、場所、プロモーション)・4C(顧客視点:顧客価値、コスト、利便性、コミュニケーションから導かれたものです。
マーケティングミックス4P・4Cとはお客様に効果的に購買行動を促すためのマーケティング手法です。
マーケティングミックス4Pでいえば、ワタシの担当売場では商品、価格、場所はコントロールできなかったのでプロモーションのPOPに注力したことになります。
売上を上げるヒントを得るにも、売上を上げる方法を見つけるにも幅広く体系的な学びが必要です。
そのためには改革のリーダーシップを取るオーナー、店長が常日頃から学ぶことが大切です。
小売業、流通業に置いては販売士検定の資格取得をおすすめします。