中小書店の売上を上げる!弱みを強みに変える逆転発想と5つの事例
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このメッセージは売上不振、大型書店やネット書店との競合に苦しむ書店に向けて
売上を上げる逆転発想の考え方、事例をご紹介しています。
このメッセージの逆転発想で中小の書店は売上を上げることができます。
このメッセージは以下のことをもとに発信しています。
- 書店店長を10年の経験の中で売上を上げることに成功した事例
- 販売促進のコンサルとなって学んだフレームワークと売上アップ事例
- 書店店長だった過去のワタシ自身へのエールとアドバイス
紹介する中小の書店の逆転発想で売上を上げることができ、お店の存在意義を確認することができます。
このメッセージは販促POP広告クリエイター西村が発信しています。
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3秒でお客様を創り出せ!
書いて伝える力でお客様を創り出す
創客マーケティング・アドバイザー 西村まさゆき
・販売士1級
・販売士養成登録講師
・ビジネスマネージャー
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■売上を上げるための考え方、行動、方法[小規模小売店向け]
小売店を運営しているなかで売上を伸ばすための施策が成果に結びつかないというお店がいらっしゃいます。そして何からどのように手をつければ良いか迷っているという小売店もあるようです。私の体験が参考になるかもしれません。⇒https://urupop.com/content/
目次
中小書店が売上を上げるヒントは弱みにある
書店の置かれた現状は大変厳しいですが、そのまま受け止めていては廃業を待つだけです。
中小書店が売上を上げるヒントは弱みにあります。
弱みはある種の特徴です。
弱みを強みに変える逆転発想ができれば売上を上げることができます。
では中小書店にどのような売上を上げるヒント(弱み)があるか書店の現状を確認してみましょう。
書店の現状を確認
中小書店を取り巻く現状は相互に影響していますが、分かりやすく7項目にまとめました。
- 店舗数の減少
1998年に約22000店あった書店は2020年には11,024店となり約22年間で半減しました。
年平均で数百店の減少が常態化しています。
新型コロナによるテレワークや休校でビジネス書や学習ドリルなどの需要の増加が見られました。自宅での余暇時間が増えたことで、コミックスや付録付き雑誌の売れ行きは好調でした。
その好調にも陰りが出てきました。
新型コロナの5類移行で店舗数の減少はまた加速すると思われます。 - 店舗の大型化、大型書店増加
店舗数が減っても総売り場面積は大きく変わらず、店舗の大型化が進み中小書店は不利な状況。 - 紙媒体市場の縮小
出版市場全体が堅調なのに書店が大量閉店するのは若者の活字離れ、漫画をスマホで読むなどデジタルコンテンツが伸びて紙媒体が伸びていないからです。
書店は本を売るしかありませんが紙媒体は相変わらず低落が止まりません。
(紙書籍の市場規模は2018年1.29兆円が2021年1.20兆円と3年で7%ダウン) - ネット書店、ネット通販、ネット配信の台頭
縮小する紙媒体市場をネット書店が台頭してきており、中小のリアル書店はますます厳しくなっています。
オンラインで電子書籍や本、中古本のオンライン購入も当たり前になっています。
書店の低収益を補うCD DVDレンタルの複合化もネット書店、ネット通販、ネット配信で取られています。 - 大手書店との配本格差
書店にはネットでは代替できない新刊、話題の本のコーナーから自分好みの本を探す楽しさがあります。
ところが
中小書店は大手書店に比べて新刊や売れ筋商品の配本はどうしても不利となっています。
大手書店には山積みなのに当店には全く入荷しないことで何度悔しい思いをしたことか。 - 需要の減少
書店のお客様にも変化があります。
読書の時間がサブスクのコンテンツ配信、YouTube、Tiktokなどの動画、音声コンテンツ、SNSなどの別のものに取って代わられています。
タイムパフォーマンスが重視され動画でさえ視聴スピードを早めています。
マンガもスマホで読める時代となって、ますます活字媒体の需要は減ってきています。 - 収益の減少
書店が得られる利益は定価の約20%です。
低収益を補うCD DVDレンタルの複合化がネット書店、ネット通販、ネット配信で取られ、利益を高められなくなっています。
そこに書店特有の万引きリスクが利益を圧迫します。
全国の書店の万引き被害額は年間約200億円、1店舗当たり年間被害額は210万円と言われています。
書店のこの被害額は1店舗の年間売上高の1%~2%になります。
書店の粗利益は22%そこから人件費や運営費を引いた営業利益率は平均で1%と言われています。
万引きで営業利益がなくなります。
中小書店にどのような売上を上げるヒント(弱み)があるか書店の現状を確認してきました。
これらから書店の生き残り戦略が見えてきます。
書店には売上アップが重要な理由
書店大量閉店の原因は売上の低迷です。
中小書店に限らず書店が生き残っていくためには売上拡大が欠かせません。
なぜなら
利益率の低い書店業界が利益率を高めるのは全く不可能ではありませんが容易でもありません。
複合化を考えるとしても資金の問題があります。
利益率改善が難しい書店が利益を確保し生き残るには売上をあげることがどうしても必要です。
中小書店が売上を上げるヒントは弱みにある
前述のように書店の置かれた現状が厳しい中、どのようにすれば売上を上げることができるのでしょう。
それは中小書店の弱みとなるところに売上を上げるヒントがあります。
弱みはある種の特徴です。
弱みを強みに変える逆転発想で売上を上げます。
例えばコンビニがいい例です。
「店舗の小ささ」を弱みとすると何もできませんが「手短に買物を済ませられる店」と捉えると「便利なお店」となります。
それでは中小書店の弱みを強みに変える逆転の発想についてまず大まかに考えてみましょう。
中小書店の弱みとは次のようなものでした。
- 弱み:店舗数の減少
⇒強み:独自性が出しやすくなり売上をあげやすくなります。
同規模店が減ってライバルが少なくなり、大型店が増えれば中小書店の独自性が出しやすくなります。 - 弱み:店舗の大型化、大型書店増加
⇒強み:大型店と差別化しやすく売上を上げやすくなります。
中小書店は大型店とはお客様も、売るものも、売り方も違います。 - 弱み:紙媒体市場の縮小
⇒強み:本を売るのではなくて価値(楽しさ、喜び、夢、便利さ、希望)が売れます。
お客様が欲しいものは何?それに応えたお店が売れます。
お客様のニーズを知っていますか? - 弱み:ネット書店、ネット通販、ネット配信の台頭
⇒強み:リアル書店しかできないことをすれば強みです。
リアル書店ができることしなければ売上は上がりません。
ネット書店と同じことをするから売れません。 - 弱み:大手書店との配本格差
⇒強み:中小書店の得意なものを売ります。
中小書店の売るものは大手書店とは違います。 - 弱み:需要の減少
⇒強み:中小書店だからこそお客様が欲しいものを提供できます。
お客様が欲しいものは変わってきていますが減っているわけではありません。
その欲しいものを身近で探ることができるのが中小書店です。 - 弱み:収益の減少
⇒強み:中小書店だからこそ本以外のお客様、読者が欲しいものを提供できます。
中小書店だからこそお客様、読者のニーズにあったものを適正価格で提供できます。
以上のように弱みを強みに変えることで売上を上げることができます。
次には中小書店の弱みを強みに変える逆転の発想をについてもう少し詳しく考えていきます。
中小書店の売上を上げる!逆転の発想
![書店売り場2](https://i0.wp.com/urupop.com/wp-content/uploads/2023/06/52079f2bd889d434500967a820f4dd5a.jpg?resize=329%2C220&ssl=1)
中小書店の弱みは売上を上げるヒントです。
弱みはある種の特徴、弱みを強みに変えて売上を上げる逆転発想が大切です。
弱みを強みに変える逆転発想の考え方、その戦略について詳しく解説していきます。
弱みを強みに変える逆転発想の考え方
中小書店の弱みを強みに変える逆転の発想は次のような考え方をします。
大型書店、ネット書店との差別化集中戦略
大型書店、ネット書店とは違う特定の顧客、地域に、特定の商品、サービスを独自の商品戦略、価格設定、流通サービス、プロモーションで提供し需要を創造します。
この考え方によって前述の中小書店の弱みに対し以下のように対応し弱みを強みに変えます。
- 店舗数の減少 ⇒ 差別化(独自化)し売上を上げ生き残る
- 店舗の大型化、大型書店増加 ⇒ 差別化(独自化)し売上を上げる
- 紙媒体市場の縮小 ⇒ 需要を創造し、顧客生涯価値を増やす
- ネット書店、ネット通販、ネット配信の台頭 ⇒ 棲み分けて共存する
- 大手書店との配本格差 ⇒ 差別化(独自化)し売上を上げる
- 需要の減少 ⇒ 独自の強力な提案(USP)で需要を創造する
- 収益の減少 ⇒ 独自の強力な提案(USP)で顧客生涯価値を増やす
大型書店、ネット書店との差別化集中戦略について詳しく解説します。
中小書店の弱みを強みに変える差別化集中戦略
大型書店、ネット書店との差別化集中戦略は以下の3点からなります。
- 中小書店はどういうお客様を対象として売上を上げるのか?
- 中小書店は何を提供して売上を上げるのか?
- 中小書店はどのように提供して売上を上げるのか?
それぞれ詳しく解説していきます。
中小書店はどういうお客様を対象として売上を上げるのか?
中小書店と大型店、ネット書店とは対象とするお客様が違います。
お客様が違うからから競争にはなりません。
大型書店、ネット書店は大きい市場の幅広い客層を対象としています。
中小書店は対象とするお客様を漠然ととらえていてはいけません。
中小書店のお客様は基本的に特定の地域のお客様です。
(一般的には市街地型書店では半径1~2Kmが商圏で3万人、郊外型書店で3~5km、5~10万人)
日本全国のお客様を対象にするとしても、特定のお客様を対象とします。
その特定のお客様に対して独自の商品やサービス(価値)を提供して売上を上げます。
対象とするお客様を特定することで初めて独自の商品やサービスを考えることができます。
中小書店のお客様を数字の面からも考えてみましょう。*********************
小書店の年間目標売上高を5000万円とします。
1世帯当たりの年間雑誌・書籍の消費額は平均約1万円ですから必要なお客様は5000世帯となります。
その地域に必要な世帯数はありますでしょうか?
さらに
地域のお客様というのはどういうお客様でしょうか
世帯の全員を対象にするのか、特定のお客様を対象にするのか考えてみましょう。
特定のお客様を対象にするのであれば年間目標売上高5000万円に見合うお客様を確保しなければなりません。
その世帯数、対象のお客様が少なければ雑誌・書籍以外の商品やサービスとの複合化を考えなければなりません。
このように考えると中小書店の大まかなあり方が見えてきます。
例えば
- 書店+カフェ=3000万円+2000万円
- 書店+文具・雑貨+食品=3000万円+1000万円+1000万円
- 店舗販売+ネット販売=4000万円+1000万円
- 全客層対応書店+高齢者向けコミュニティでの飲食売上=4000万円+1000万円
ということです。**************************************
中小書店は何を提供して売上を上げるのか?
中小書店は何を提供して売上を上げるのか考えてみましょう。
中小書店と大型書店、ネット書店とは提供するものが違います。
提供するものが違うので競争にはなりません。
大型書店、ネット書店は基本的に書籍、雑誌、商品を販売します。
新刊、売れ筋商品の配本が不利な中小書店は新刊、売れ筋商品で売上を上げることはできません。
中小書店はもちろん新刊、売れ筋商品も販売したいですが書店選定の既刊本で売上を上げます。
お客様は紙とインクからなる本を欲しいのではなくて書籍との出会いで得られる感動や楽しさを求めているのです。
中小書店は書籍、雑誌、商品の販売の先にあるお客様が得るベネフィットを提供して売上を上げます。
中小書店はお客様がどのようなニーズを持っているのかを大型書店、ネット書店よりも踏み込んで捉えます。
そこに
中小書店が大型書店、ネット書店と差別化して売上を上げる市場があります。
例えば
- 中小書店の担当者が読んでみてとても面白かった推理小説を紹介して推理小説の楽しみを提供する
- 文芸書に詳しい担当者が「感涙する恋愛本」を紹介して心を揺さぶる体験を提供する
- 個々のお客様の好みを聞いて毎月選書リストを提案して個人のお客様の内面の豊かさに貢献する
- 高齢者に代わってCDやDVDをネットで取り寄せする便利なサービスを提供する
ということです。
中小書店はどのように提供して売上を上げるのか?
中小書店は大型書店、ネット書店、競合店とは違う独自の方法で提供します。
提供方法が独自なので競争にはなりません。
大型書店、ネット書店は新刊本や売れ筋商品を販売するために新刊コーナーや売れ筋ランキングコーナーを展開します。
中小書店は独自の強力な提案(USP)=独自のテーマ提案力で需要を創造し売上を上げます。
また独自の強力な提案(USP)で顧客生涯価値を増やし収益を高めます。
お客様に対して自社だからこそ提供できるお客様に喜んでいただける価値提案をします。
例えば
- 県庁所在地の美術館で行われている作家の作品展を見に行けない地域の方に写真集で鑑賞していただく。
そこには作品展を少しでも楽しんでいただきたいという思いがあります。 - 今話題のチャットGTPについて考えてみましょう。
大型書店、ネット書店はチャットGTPの対象書籍をただ展開するだけかも知れません。
中小書店は違います。
チャットGTPを分かりやすく簡単に解説したPOPと一緒に
関連書籍(質問力、文章力についての書籍)を提案します。
チャットGTPの本を欲しいと思っていないお客様にPOPで興味を持ってもらって購買動機を呼び起こします。 - 夏に向かって暑くなり熱中症が心配になります。
「旬の夏野菜は熱中症予防の神様からの贈り物!美味しい夏野菜レシピフェア」というPOPで
熱中症防止のおすすめ食材の料理本を展開して熱中症防止を呼びかけます。 - 「書くと元気になる!さらに充実して1年を生きるための 人生いきいきノート」というPOPで
高齢者の多い地域では秋口からの来年の日記や手帳の販売と合わせて人生いきいきノート(エンディングノート)を販売します。
大型書店、ネット書店、競合店は書籍、雑誌、商品を販売しているかもしれません。
中小書店はお客様に寄り添って商品提供の先にある価値の提案をします。
書店の売上を上げた工夫:逆転発想の事例
![書店売り場1](https://i0.wp.com/urupop.com/wp-content/uploads/2023/06/95b682bec85cf1abe9f6a30765016306.jpg?resize=321%2C214&ssl=1)
中小書店の売上を上げた工夫(逆転発想の事例)を紹介します。
中小書店が逆転発想で売上を上げるヒントを掴んでいただきたいと思います。
事例1:読者の潜在ニーズを掴んで思わぬ冊数を販売した絵本
1997年1月2日重油を積み航行中だったロシア船籍タンカーのナホトカ号が日本海で浸水、沈没しました。
石川県の海岸には重油が流れ着き、たくさんの県民、自衛隊、ボランティアが重油の回収に尽力しました。
このような時に葉 祥明さんの絵本「地雷ではなく花をください」が新刊として入荷しました。
「この絵本1冊を買うと10平方メートルの地雷原がクリアな土地になります」という募金付きの本でした。
ワタシはすぐに追加発注をして平台展開して募金付きの絵本をお勧めしました。
驚くほどの冊数が売れました。
この絵本は読者の潜在ニーズを顕在化させる絵本だったのです。
ワタシもそうでしたが重油流出事故で全ての県民が重油回収のボランティアに携わったわけではありません。
ワタシも含めて、そういう方には申し訳ないという気持ちがいつもあったと思います。
その気持ちから少しでも世の中にためになりたいと募金付きのこの絵本を買ったのだと思います。
人は色々な情報から潜在ニーズを持ちます。
中小書店は大型書店、ネット書店よりも読者の潜在ニーズに敏感になれる環境があります。
中小書店がする読者の潜在ニーズを顕在化させる働きかけや本の提供はお客様の購買行動につながります。
事例2:おすすめ度をPOPでアピールして売れたビジネス書
ワタシが読んでものすごく気に入ったビジネス書がありました。
それを是非お客様にも読んでいただきたいと思いA 1サイズのPOPを作りました。
平積みで多くの冊数を展開する場合のサイズで少し異例です。
それほど気に入った本だったのです。
おすすめの本は多くの場合お客様の目のつきやすい場所に展開するのが普通です。
ワタシはそれで売れても良しとはしません。
なぜなら
そのコーナーの立寄率や商品に対しての視認率が上がれば売れる可能性は高まるからです。
なので
目立つ場所に売りたい本を展開すれば売れやすくなります。
一方で
その場所から外された本は売れなくなります。
そうすると
プラスマイナスで全体の販売冊数はあまり変わらないということになるからです。
POPをつける時には今の展開場所で販売冊数が大きく伸びることを目指します。
得意のPOPでおすすめしたビジネス書は前月比で17倍売れました。
新刊、売れ筋商品はどこでも売っていますし大手書店ほど入荷しやすくなっています。
新刊、売れ筋商品を売らないわけには行きませんが売るべきは自店で選書した本です。
中小書店は自分の目利きで選んだ本を他のお店には負けない独自の強みを生かして売上を上げます。
どのようなお店にも他のお店には負けない独自の強みがあります。
ワタシの場合はPOPでした。
事例3:サブスクで全国におすすめ本を配布する書店
書店は読者と本をつなぐのが役割です。
選書の得意な書店はその選書の力で売上を上げることができます。
2018年に「プロフェッショナル仕事の流儀」というNHKの番組で紹介され話題を呼んだ書店があります。
選書サービスの元祖ともいわれている北海道砂川市にあるローカル書店「いわた書店」が提供する「一万円選書」。
2007年から選書サービス開始し老舗書店の店主岩田さんが一万円で読者にぴったりの本を選んでくれるものです。
大人気でサービス申込みの受付が年に1回だけのしかも抽選という程の大人気です。
詳しくはこちら
2018年4月23日(月)
運命の1冊、あなたのもとへ
書店店主 岩田徹
北海道で小さな町の本屋を営む岩田徹(66)。岩田が注目を集めるきっかけとなったのが、11年前から独自で展開しているサービス「1万円選書」。1万円の予算で岩田が客1人1人にあった本を選び出すというものだ。全国各地から注文が殺到、3,000人待ちという盛況ぶり。岩田のもとには日々、選書した本によって「人生を救われた」、「運命を変えてくれた」といった感激の声が寄せられる。なぜ岩田は客の人生に寄り添う「運命の1冊」を選び抜くことができるのか。その目利きの秘密と本屋に人生を捧げた男の流儀に迫る。
バブル崩壊や出版不況など、幾度も廃業の危機に陥りながらも闘い続けた壮絶な過去。
40年間探し続けた「町の本屋の役割」、そしてドン底のなか偶然生まれた1万円選書の誕生秘話を明かす。
また今回は「コーナー企画」として、読書家としても知られる高山一実(乃木坂46)が1万円選書を体験、岩田の流儀を紐解いていく。
引用元:https://www.nhk.or.jp/professional/2018/0423/index.html
今では色々な選書サービスがあります。
詳しくはこちらも御覧ください。
【2023年】【選書サービス】まとめました。プロがあなただけの本を選びます。
書店から個人の選書サービスまであらゆる選書スタイルをご紹介します。
事例4:POPで販売冊数を数倍にした書店
POPで販売冊数を数倍にした事例はこちら
POPで1店舗7000冊
梅原潤一(有隣堂ヨドバシAKIBA店係長)
書店でPOPが注目された始めたのは2001年千葉県の書店員木下さんが作成した手書きPOPからです。
発刊3年目の文庫『白い犬とワルツを』が木下さん作成の手書きPOPでお店のベストセラーになリました。
その売れ方に驚いた出版社が木下さん作成のPOPを全国書店に配布しました。
テレビでの紹介もありましたが累計150万部の大ベストセラーとなりました。
それにより書店員による手書きPOPは効果があると定着しました。
その後も『世界の中心で、愛をさけぶ』、『天国の本屋』がPOPで大ベストセラーにつながりました。
引用元:https://shuppankagaku.com/column/20071210/
店員の個性やセンス、感性に寄る部分もありますがPOPは経費がかからず誰にでも作れます。。
他の小売業に限らず、書店でもPOPで大きく販売数を伸ばすことができます。
事例5:ムックのビジュアル展開でライフスタイルを提案
雑誌と書籍の中間のようなムック(雑誌風書籍)という本の種類があります。
magazineとbookの中間なのでMookです。
内容は単行本でありながら、発行方式や編集形態が雑誌のような出版物。
引用元:goo辞書
https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E3%83%A0%E3%83%83%E3%82%AF/#jn-215606
雑誌風なので表紙はとてもビジュアルです。
ある時ガーデニングや観葉植物のムックで「ガーデニングや観葉植物に囲まれた暮らし」というライフスタイル提案をしました。
月間の部門の売上の前年比を変えるほどの売上になりました。
40cm角のアクリルボックスを10個ほど使い、ポトスの鉢植えや赤と白のチェック柄の布を配置して平台も思いっきりビジュアルな展開にしました。
季節もちょうど春先でガーデニングに適した頃です。
ムックを手に取っていただくお客様も多く関心の高さが伺われました。
ただ商品を並べておくだけでは創れなかった売上です。
お客様の今の関心事にフォーカスして色々な提案をすることで売上を上げることができます。
そこに中小書店の独自な存在価値があります。
提案がなければネット書店と何が違うというのでしょうか?
以上5つの事例を紹介しました。
ここから中小書店の売上を上げる逆転発想のポイントを考えてみたいと思います。
中小書店の売上を上げる逆転発想の4つのポイント
![書店売り場1](https://i0.wp.com/urupop.com/wp-content/uploads/2023/06/95b682bec85cf1abe9f6a30765016306-1.jpg?resize=325%2C216&ssl=1)
前項のワタシの体験や事例から中小書店の売上を上げる逆転発想のポイントは次通りです。
大型書店は大きな売上がなければやっていけませんので話題の新刊、ベストセラー商品に頼ります。
扱う冊数も多いので細かいことをしている暇はありません。
中小書店は新刊、ベストセラーは不利なので独自の選書で大きい販売数を取ります。
なので
- 特定の地域・お客様の絞り込み、特定の商品・サービスの提供が必要です
話題の新刊、ベストセラー商品も販売しますが中小書店のメインの生き残り策ではありません。
話題の新刊、ベストセラー商品はあなたのお店だけではなくどこでも販売しています。 - お客様の潜在ニーズを徹底して探り、大きく販売数を取れる商品を見つけ出します
ネット書店利用者はお目当ての本が欲しい方ですが、リアル店舗利用者は素敵な本との出会いが欲しい方です。
そのお客様と本をつなぐのが中小書店の役割です。 - お店のUSPを活かして伝えます。
大型書店、ネット書店は大きな売上を取るために総合化せざるを得ません。
それは特徴がないということでもあります。
中小書店の生き残り策は独自性です。 - 中小書店は大型書店、ネット書店を活用することができます。
大型書店、ネット書店はデータが得意です。
過去の販売データからお客様を推測し最適と思われる働きかけを行います。
リアル店舗は直にお客様のニーズをつかみ、個性からの提案をすることができます。
大型店、ネット書店に提供できない価値を提供すれば売上を上げることができます。
大型書店、ネット書店は中小書店を利用できませんが、中小書店は大型書店、ネット書店を活用することができます。
順に解説していきます。
特定の地域・お客様に、特定の商品・サービスを提供する
お店の対象とするお客様が曖昧であれば必要とするニーズを把握することもできません。
大型書店、ネット書店と同じお客様を対象として競争しても意味がありません。
中小書店には中小書店なりの特定の地域やお客様がいます。
そのお客様をはっきりと設定して必要とするニーズを捉えて行きます。
そのニーズに合わせて中小書店ならではの商品・サービスを提供すれば売上を上げることができます。
お客様の潜在ニーズを徹底して探る
お客様の潜在ニーズを常に探り提案につなげることで大きな売上アップになります。
中小書店のお客様は大型書店、ネット書店のお客様とは違います。
特定のお客様に寄り添って掴んだ潜在ニーズは特別なものです。
そこに売上を上げるための提案するテーマや働きかけ、提供する本や商品、サービスのヒントがあります。
それには大型書店、ネット書店はもう太刀打ちできません。
大型書店、ネット書店は中小書店より商品やサービス、新刊、売れ筋商品に注目しがちです。
もちろん
中小書店も新刊、売れ筋商品は売らなければなりませんが大型書店、ネット書店より不利です。
中小書店は大型書店、ネット書店より店主がお客様お客様に近いだけ潜在ニーズに注目し易いです。
お客様の潜在ニーズはお店の働きかけによって顕在化させウォンツにできます。
そこに中小書店が売上を上げる市場があります。
優れたお店は大型書店、ネット書店でもお客様の潜在ニーズを常に探り提案につなげます。
お客様の潜在ニーズ把握に有利な中小書店でもぼんやりしたお店はあります。
「お客様潜在ニーズ把握マトリックス」を使ってはいかがでしょう?
以下のような「お客様潜在ニーズ把握マトリックス」を1ヶ月に一度書き込んでいきます。
縦の項目の関心事や情報源について各年代やお客様像の関心項目を書き込んで行き潜在ニーズを探ります。
![お客様潜在ニーズ把握マトリックスbase](https://i0.wp.com/urupop.com/wp-content/uploads/2023/06/63e42e1b6aa71b679d31dbf5d3f002db.jpg?resize=1024%2C576&ssl=1)
「お客様潜在ニーズ把握マトリックス」の書き込み見本は以下のようになります。
![お客様潜在ニーズ把握マトリックス見本](https://i0.wp.com/urupop.com/wp-content/uploads/2023/06/7fab064bedee64e7dd98eed44011a851.jpg?resize=1024%2C576&ssl=1)
お店のUSPを活かして伝える
USPとは独自の強力な提案のこと。
商品をおいているだけでは売れないのはどこの業界でも同じです。
独自の強力な提案(働きかけ)がなければ売上には繋がりません。
独自の強力な提案があるから、お店は存在価値があります。
書店来店者は知的ニーズを持っていますので働きかけで顕在化しやすくウォンツになって売上がアップします。
書店は利益率は低いですが返本ができます。
請求と支払いのタイミングと仕入れと返本のタイミングを合わせて資金繰りを悪化させずに積極的にトライします。
例えば以下のような独自の強力な提案(働きかけ)が考えられます。
- 推薦書コーナー作り
特定のお客様の潜在ニーズを顕在化するようなおすすめ本のコーナーをたくさん作ります。
お客様の関心を引き売上を伸ばすことができます。 - 紙芝居、読み聞かせイベント
絵本の読み聞かせが得意であればイベントで集客しおすすめの絵本、親向けの本、駄菓子の販売に繋げます。 - ワークショップの開催
クリエイティブなワークショップを開催することで新しい体験を提供し集客と関連商品販売ができます。 - ビジネス雑誌が推す必読本リスト
主要なビジネス雑誌には必ずおすすめ本のページがあります。
その本をまとめたリストの配布や、対象本のコーナーをつくると親切です。 - POP作り
POPが得意であれば独自のキャッチコピーで集客もできますし販売にも直接繋がります。 - コーヒーショップの併設
書店内にカフェスペースを併設すると、お客様がくつろぎながら本を読んだり、友人との会話を楽しんだりすることができます。
カフェの営業によって追加の収益を得るだけでなく、書店とカフェの相乗効果によって売上を増やすことができます。 - コミュニティスペースの併設
地域のコミュニティに焦点を当てたイベントを開催しましょう。
地元の作家やアーティストの展示会やサイン会、子供向けの読み聞かせイベントなど、地域の人々にとって魅力的なプログラムを提供します。
地域の支持を得ることでニーズ商品の幅を拡大して顧客生涯価値を増やし、書店の売上を増やすことができます。
大型書店、ネット書店を活用する
取次店の書誌検索は書誌データだけですがネット書店のデータには販売データと同時購入データが付いています。
あるニーズに対応してコーナー展開するときには最も販売数の多いメインの本を知ることができます。
更にその本を中心とした関連書を知ることができます。
このデータは選書コーナーを作る上でとても役立ちます。
品揃えの多い大型書店で実際に関連書を確認することもできます。
売れ筋商品で版元も取次も品切れでネット書店にあれば取り寄せして上げることができます。
それは商品販売ではなく、ネットの苦手な高齢者などに代わって行う有料のネット取り寄せサービスです。
本に限らず、現行取引先から入手できないものでも取り寄せして差し上げることでサービス売上が作れます。
他業界でも中小店が大型店を活用する以下のような例があります。
仕入れ先はヤマダ電機!?街の電器店の生きる道【2分で見るカンブリア宮殿】(2020年8月27日OA)
■売上を上げるための考え方、行動、方法[小規模小売店向け]
小売店を運営しているなかで売上を伸ばすための施策が成果に結びつかないというお店がいらっしゃいます。そして何からどのように手をつければ良いか迷っているという小売店もあるようです。私の体験が参考になるかもしれません。
⇒https://note.com/urupoplabo/n/ne75e3d843414
まとめ: 中小書店の売上を上げる!
■中小書店が売上を上げるヒントは弱みにあり、弱みを強みに変える逆転発想で売上を上げます。
- 店舗数の減少 ⇒ 差別化(独自化)し売上を上げ生き残る
- 店舗の大型化、大型書店増加 ⇒ 差別化(独自化)し売上を上げる
- 紙媒体市場の縮小 ⇒ 需要を創造し、顧客生涯価値を増やす
- ネット書店、ネット通販、ネット配信の台頭 ⇒ 棲み分けて共存する
- 大手書店との配本格差 ⇒ 差別化(独自化)し売上を上げる
- 需要の減少⇒独自の強力な提案(USP)で需要を創造する
- 収益の減少⇒独自の強力な提案(USP)で顧客生涯価値を増やす
■利益率改善が難しい書店が利益を確保し生き残るには売上をあげることがどうしても必要です。
■中小書店の弱みを強みに変える差別化集中戦略
- 大型書店、ネット書店とは違う特定の顧客、地域に
- 特定の商品、サービスを
- 独自の商品戦略、価格設定、流通サービス、プロモーションで提供し需要を創造します。
■中小書店の売上を上げる逆転発想の4つのポイント
- 特定の地域・お客様に、特定の商品・サービスを提供する
- お客様の潜在ニーズを徹底して探る
- お店のUSPを活かして伝える
- 大型書店、ネット書店を活用する