お客様から選ばれるために、お客様より従業員を大切にしなければならない理由
お客様からの支持がなんだか弱い
お店のおもてなしができていない
従業員がお客様を大切にしない
ということでお悩みではありませんか?
実はお客様からの支持も、お店のおもてなしも、従業員の接客も
たった一つのことに力を注ぐだけで解決します。
それは
お客様より従業員を大切にする
ことです。
なぜなら
お店がお客様にいいご奉仕ができるのは大切にされた従業員がいるからです。
とてもシンプルなことですが実は難しい。
この記事では私が見聞きした3つの例を挙げてみたいと思います。
その事例から
従業員を大切にすることについて考えてみていただければ嬉しいです。
目次
お客様に選ばれるために、お客様より従業員を大切にしなければならない理由
従業員は家族、お客様は会社みたいなもの
想像してみてください。
あなたはあなた自身と家族を幸せにするためにいい仕事をする。
あなたがいい仕事をするためには家族が健康でなければなりません。
あなたがいい仕事をするためには時には家での役割を家族に替わってもらう場合があります。
あなたがいい仕事をするためにはあなたの仕事の意義を理解してくれる家族が必要です。
そして
あなたがいい仕事をして会社から報酬を得て大切な家族を幸せにすることができます。
自分と家族を幸せにするためにいい仕事をする。
一方で
あなたがいい仕事をするためには協力してくれる家族が必要です。
「あなた」を「お店」に、「家族」を「従業員」に言い換えたらどうなるだろう?
想像してみてください。
お店はお店自身と従業員を幸せにするためにいい仕事をする。
お店がいい仕事をするためには従業員が健康でなければなりません。
お店がいい仕事をするためには時には売り場での役割を従業員に替わってもらう場合があります。
お店がいい仕事をするためにはお店の仕事の意義を理解してくれる従業員が必要です。
そして
お店がいい仕事をしてお客様から報酬を得て大切な従業員を幸せにすることができます。
お店と従業員を幸せにするためにいい仕事をする。
一方で
お店がいい仕事をするためには協力してくれる従業員が必要です。
そうです。
従業員は家族、お客様は会社みたいなものです。
カンパニーの語源
「株式会社」を英語でいうと「Co., Ltd.」です。
「Co., Ltd.」は Company Limited の略です。
この「company(カンパニー)」の語源 は「 ともに(com)パン(panis)を食べる仲間(y)」
ということです。
日本流に言えば「同じ釜の飯を食う仲間」ですね。
会社、お店は食事とともに喜びも分けあい、繋がりを深めるということでしょうか。
まさに会社、お店は家族っていう気がしませんか。
話がズレますが
私は家族で一緒に食事を摂ることをとても重要視します。
食事が別々だとどうしてもコミュニケーションが取れなくなり、家族関係がギクシャクします。
一人食事は子どもたちの心身の発達にはやはりマイナスです。
だから
company(カンパニー)=ともに(com)パン(panis)を食べる仲間(y)
であることは、とても大切だと思います。
今は新型コロナの影響でできませんが、新年会、忘年会などの共に食事をする機会は
会社の一体感醸成のためにはとても大切だと思います。
大切にされた従業員がお店の思いを実現する
大切にされた従業員はお店の思いを実現するものです。
給与もギリギリ、休みもろくにない、そんな会社はもうないでしょうが
そういう会社の従業員はお店がどれだけお客様を大切にしろといっても最低限のことしかしません。
お客様にご奉仕してその結果、業績が伸びたら、従業員にも還元されるという実感がなければ
従業員は最低限のことしかしません。
また、正規社員と差別される非正規社員、派遣社員、大切にされない従業員は最低限のことしかしません。
その従業員が会社、お店を辞めた後には会社、お店の悪評発生、顧客流出の原因となります。
そういう会社、お店の定着率は必ず悪化します。
そういう会社、お店の従業員募集は必ず苦労します。
そういう会社、お店の業績は必ず停滞します。
そういう会社、お店の利益は必ず減少します。
一時「ブラック企業」という言葉が注目されました。
ブラック企業のアルバイトさんや派遣社員は厳しい環境にありました。
ブラック企業のアルバイトさんや派遣社員は最低限のことしかしません。
中にはバイトテロという形でお店を傷つけることもありました。
大切にされた従業員はお店の意を汲み
自分なりにどのように貢献できるかを考え実行します。
お店と私達はどうありたいかを示し、従業員を大切にするだけで
大切にされた従業員はお店の思いを実現するものです。
私がこれまで見聞きした
従業員を大切にする会社、従業員を大切にしない会社の
お話を例示します。
その事例から
従業員を大切にすることについて考えてみていただければ嬉しいです。
仲間を思いやれる従業員がお客様を大切にする話
何十人もの従業員で構成するお店は一つの仕事が一人の従業員で完結することはまれです。
私が見聞きしたお店は一件のお客様からの注文には5人位の従業員が連携していました。
- 注文を受け付ける人
- 注文を取引業者に発注する人
- 商品が入荷して注文品を確保する人
- 注文品をお渡しできるようにセットする人
- 注文品の入荷を顧客に連絡する人
- 注文品をお客様にお渡しする人
という流れでしょうか。
1日数十件ですからトラブルが多いのが普通です。
そのお店はトラブルが殆どありませんでした。
なぜなら
次の人に対する「思いやり」を大切にしていたからです。
- 注文を受け付ける人は注文を取引業者に発注する人が
発注しやすいように伝票を書く - 注文を取引業者に発注する人は商品が入荷して注文品を確保する人が
入荷時に客注品であることがわかりやすい発注をする - 商品が入荷して注文品を確保する人は注文品をお渡しできるようにセットする人が
セットしやすいように商品の伝票をペアリングする - 注文品をお渡しできるようにセットする人は注文品の入荷を顧客に連絡する人が
連絡しやすいように連絡先が見えるように伝票を添付する - 注文品の入荷を顧客に連絡する人は注文品をお客様にお渡しする人が
渡しやすいように名前順や入荷順でセットする - 注文品をお客様にお渡しする人は注文を受け付けた人が
無事、注文品がお客様の手に渡ったことがわかるように完了チェックをする
作業流れの次の人への思いやり、次の人を大切にする作業が従業員同士、お客様を喜ばせる話です。
使われない救急箱という話
ある遊戯施設でのお話。
何処の会社やお店にも救急箱ってあります。
その施設にも救急箱ってありました。
ただ従業員のためにおいているのではないと管理者は言っていたそうです。
救急箱はお客様のためのものということらしいです。
当たり前のようにも感じます。
度々使う頭痛薬を自分で用意せず、会社の救急箱を当てにする従業員もいたからでしょうからそういうこともありえます。
救急絆創膏や虫刺され対策の薬など
従業員は働く部署の近くに自分で用意するしかなかったそうです。
お客様がちょっと手を切って救急絆創膏が必要になった。
お客様を大切にしたい従業員は時間のかかる施設の救急箱を取りに行きませんでした。
従業員は働く部署の近くに自分で用意した救急絆創膏をお客様に提供したそうです。
お客様には喜んでいただいたが施設の救急箱は利用されませんでした。
その後
万一のアレルギー反応などの防止のために薬事法に乗っ取り施設の医療行為を禁止する通達が上層部からきたそうです。
お客様のための救急箱は永久に利用されることはなくなりました。
その後は救急絆創膏や虫刺され対策の薬は従業員の手でお客様に提供されているそうです。
きっと現場の従業員はお客様の窮状を無視できないのでしょう。
救急箱はお客様のためのもの、従業員のためではないと言っていた管理者たちは
終業時間になると3分後には帰宅していました。
施設内でまだ遊戯をしているお客様が帰る出入口から、ルール通りに帰宅していました。
救急箱を従業員の万一のために使っていればどうなっていたでしょう。
従業員は薬代を払う必要はなく、お客様も困らなかったかもしれません。
あなたならどう考えますか?
大きいお店が小さいお店に負けてしまう話
数十人規模の小さいお店が数百人規模の大きいお店に負けるとよく聞きます。
確かに大きいお店との競合で小さいお店が生き延びていくのは容易ではありません。
ところが
大きなお店には大きなお店なりの強みと弱みがあり
小さなお店には小さなお店なりの強みと弱みがあります。
小さなお店が小さなお店なりの強みを活かし
小さなお店なりの弱みを工夫すれば生き延びる確立は高くなります。
大きなお店は小さなお店が10個くらい集まったと規模とすれば
先に紹介した「仲間を思いやれる従業員がお客様を大切にする話」のことはできません。
作業流れの次の人への思いやり、次の人を大切にする作業が従業員同士、お客様を喜ばせることはできません。
せいぜいが部門内での思いやりに完結するだけでお客様まで到達しません。
自分の守備範囲がどんどん拡大してどうしようもなくなるからです。
思いやりは生産性を高めますが
その思いやりを発揮できないのですから
高い生産性を維持するためには
守備範囲を超えての改善などしたくないからです。
こんなことがあります。
入荷物の荷解きをすれば梱包バンドが出てきます。
自分は荷解きで手一杯なのです。
梱包バンドの始末は始末担当にさせればいい。
床にゴミが落ちたら清掃担当にさせればいい。
ダンボールはダンボール回収の担当にさせればいい。
仕組みがそうなっているのです。
梱包バンドの始末担当、清掃担当、ダンボール回収の担当だって仲間です。
毎日顔を合わせて挨拶する、共に協力してお客様に喜んで頂く仲間に対してすら
自分の作業で手一杯で思いやりを持てない状況が大きいお店の実態です。
そういう思いでは
商品開発した人のお客様への思い
商品加工した人のお客様への思い
商品陳列した人のお客様への思い、
商品管理した人のお客様への思い
商品発注した人のお客様への思い
販促計画した人のお客様への思い
POPを書いた人のお客様への思い
バンドの始末担当のお客様への思い
床の清掃担当のお客様への思い
ダンボール回収の担当のお客様への思い
はお客様には伝わり難くなります。
本来は沢山の人のお客様への思いがあるはずで
それが強みであるはずなのになぜか冷たい。
大きなお店にはそういうところがあります。
小さいお店はお客様への思いがストレートに伝わります。
仕事は何でもしなければならないから大変ですが
お客様からの感謝は直接にいただけます。
大きいお店とは違うお客様への思いをはっきりと持ち
それをストレートに伝え、反応をいただく
小売の幸せはこんなところにあります。
大きいお店と違う小さいお店だからできることをやれば小さいお店でも生き残れます。
でなければ
大きいお店だけの世の中って寂しすぎませんか?
この記事と一緒に読んでいただきたい記事はこちら
「閉店してわかった従業員最上主義だから顧客第一主義にする理由」
まとめ:
お客様から選ばれるために、お客様より従業員を大切にしなければならない理由
お客様に選ばれるためには、お客様より従業員を大切にしなければならない理由
従業員は家族、お客様は会社みたいなもの
お店はお店自身と従業員を幸せにするためにいい仕事をする。
カンパニーの語源
company(カンパニー)=ともに(com)パン(panis)を食べる仲間(y)=同じ釜の飯を食う仲間
であることは、とても大切だと思います。
大切にされた従業員がお店の思いを実現する
ブラック企業からバイトテロが発生する。
お店と私達はどうありたいかを示し、従業員を大切にするだけで
大切にされた従業員はお店の思いを実現するものです。