「思いやり」と「ついで」で生産性アップ:経験に学ぶ個人商店の生き残り策

「思いやり」と「ついで」で生産性をアップさせる。

経験から学ぶ個人商店の生き残り策についてお伝えしたいと思います。

 

「思いやり」と「ついで」という抽象的な言葉で生産性がアップするのか?
と思うかもしれませんね。

「思いやり」と「ついで」だから生産性がアップする。

ワタシの経験から、手掛けたお店の支援からそのように思います。

 

経営診断、経営支援、業績改善では
論理的な考え方でフレームワークを使って現状分析
エクセルでシミュレーションして指標に合わせて診断
ほぼパターン化された改善方法で改善
ですが
それがなかなかうまくいきません。

 

ワタシの経験に当てはめても
それは何度となく思い知らされました。

 

理論通りに業績改善するはずなのに理論通り行きません。

改善には理念や思いが必要

いつも、そう感じます。

 

こういう方法でやれば理論通り業績改善する
とやってみてもなかなか、うまくいくことは少ない。

 

ところが
どうしたらお客様に喜んでもらえるか
と考えてやってみると売上に結びつきやすいのです。

 

これがよくわからずに不思議ですが
経験知というしかありません。

 

なので今は
  ❐何のために業績改善するのか
  ❐どういうことを大切にして業績改善するのか
  ❐何を目指して業績改善するのか
をとても重要視します。

生産性をアップさせる「思いやり」

「思いやり」と「ついで」が生産性をアップさせる
ワタシの経験からお伝えしたいと思います。

 

県内の5本の指に入るような総合病院で勤務していたときのことです。

 

売店のゴミを捨てに行ったとき、廊下にゴミが落ちていました。
患者や外部の人が通らないような廊下です。
誰も気づかないのか行きも帰りもそのままです。

 

大きな病院というのはいろいろな業務を業者に委託しています。
医療事務、館内清掃、病院給食、館内売店、看護補助、殺菌消毒・・・・
競争入札で業者が受託します。
館内清掃と館内売店は別会社というように業務によって会社が異なるのです。

 

清掃を受託した会社の従業員が巡回で気づかなければ、おそらくずっとそのままでしょう。
館内は広いですから、こういうイレギュラーには即時対応が難しいのです。

 

これは何とかしたいとワタシが売店の箒とチリトリで掃除しました。
ほんの5分ほどです。

 

誰かから連絡を受けた清掃会社のスタッフがまもなく来ました。

 

誰が掃除したって、ほんの5分ほどです。
わざわざ広い館内のどこにいるのかもわからない
清掃会社のスタッフを探し出して掃除をしてもらう。

 

●患者や利用者医療関係者に対する思いやり
●清掃業者スタッフに対する思いやり
●わざわざ時間をかけて探し出すコストを払う病院への思いやり

 

これが業務を縦割りした思いやりのない集団の有り様です。

個人商店がそんなことをしていては生産性を高めることはできません。

生産性をアップさせる「ついで」

開店前の食品スーパーのことです。

 

オープン時刻までにできる限りの商品を品出ししたいと
多くのスタッフが忙しそうに行き交います。

 

いろいろなものが移動します。
商品、ダンボール、カートン、カゴ車、ゴミ・・・
それぞれに行き先があります。

 

人もいろいろな場所に移動します。

 

自分の担当部門のものだけを移動させていればいいのですが
生産性を上げるには「ついで」が役立ちます。

 

自分の移動や運搬の「ついで」に
他の部門の商品、ダンボール、カートン、カゴ車、ゴミを運搬する。

 

無理にすることはありませんが片手が空いていたら
もう一方の片手で他の部門のものを持って移動する。

 

そういう移動、運搬をお互いにすると生産性が高まります。

 

20人もいれば一人分くらいの作業時間が省かれます。

 

「ついで」というのはホントにバカになりません。

 

「ついで」というのは別な言い方をすれば「マルチタスク」
1人2役です。

コストが変わらす効果が2倍です。

 

「ついで」を行うにも「思いやり」が不可欠です。

 

●他の部門のことを思いやる
●どうして欲しいかを察する
●どうしたら作業しやすいか思いやる

見当違いな「ついで」は他部門の迷惑にも成りかねません。

 

「思いやり」「ついで」はただの集団ではできない
高度なコミュニケーションなのです。

 

「思いやり」と「ついで」を養う方法

「思いやり」と「ついで」を個人商店の生き残り策とする。
そういう経験もしてきました。

 

ワタシが在籍した複合書店では
商品5つのサービス、接客5つのサービス、仲間5つのサービス
というものがありました。

 

商品5つのサービス
・担当ジャンルを研究熟知
・今日分、今日で4時完了
・削・改・追でいつもベスト
・売れ筋定番完備
・他のどこより優れた陳列

接客5つのサービス
・いつも笑顔を絶やさず
・プラス1・2の挨拶を励行し
・レジ以外でもお客様に声をかけ
・お客様を棚までご案内し
・スピードも大きなサービスと考えよう

仲間5つのサービス
・思いやり
・広い心
・サラリ・サラサラ
・共通目標
・かけがえない仲間

 

お客様や仲間への思いやりが大切にされていました。

 

商品5つのサービスの「今日分、今日で4時完了」について解説します。

 

今日分、今日で4時完了というのは
自分の今日予定の仕事は就業時間1時間前の4時までに終了させるということです。

 

では4時から5時までの間何をするのか?
それはやるべきことのプラスアルファです。

自分が今までしていないトライや他部門の応援なんかですね。
そうして1時間を有効活用するということです。

 

多部門の応援というのは「思いやり」と「ついで」を養うとてもいい方法でした。

  • 多部門の応援はとても得ることが多いです。
  • 他部門の商品知識などがわかる
  • 他の人の仕事のやり方が参考になる
  • 他の人の仕事の大変さがわかる
  • 仲間意識、連帯感ができる
  • 生産性が高まる
  • 他部門の仕事の流れがわかる

 

多部門の応援は相互に行うので互いにプラスになりますし
仲間意識、連帯感ができます。

 

「思いやり」と「ついで」を養うとてもいい方法でした。

「思いやり」と「ついで」は仕組みやルールの縦割りではないところに生まれます。

  • 作業のオーバーラップする部分
  • 一緒に目指す共通目標、理念
  • そう有りたいとする同じ思い

重なる無駄ではなく、同じものを持つというコストアップではなく
それこそが生産性を高める要素です。

 

自分だけ、自社だけが生産性が高まるのではなく
自分だけ、自社だけがコストが低減するのではなく
社会全体の生産性が高まるからみんなが豊かになる。

 

個人商店に限らずすべての企業が
生き残る方法ではないでしょうか?

 

日本の生産性の低さはそういうふうにして
改善される気がします。

 

まとめ

  • 「思いやり」と「ついで」という抽象的な言葉で生産性がアップする
  • 理論通りに業績改善するはずなのに理論通り行かない
  • 改善には理念や思いが必要
  • どうしたらお客様に喜んでもらえるかとやると売上に結びつくという経験知
  • 業務を縦割りすると思いやりのない集団になる
  • 「ついで」は「マルチタスク」1人2役、コストが変わらす効果が2倍です
  • 「ついで」を行うにも「思いやり」が不可欠です
  • 「思いやり」と「ついで」を養う共有する作業、目標、理念、思い
  • 全体が豊かになるから自分も豊かになる