訪日外国人への販促!どんな販促がいいのかわからないからやってみた
日本人に対しての販促は購買心理や価値観がある程度わかるので組み立てることができます。訪日外国人はそれがよく分からないのでいろいろやってみました。訪日外国人への販促の参考にしていただければよいかなと思い、その結果をお伝えします。
目次
訪日外国人への販促!どんな販促がいいのかわからないからやってみた
訪日外国人への販促ではあまり参考になるものがありません。中国の旅行者の爆買いで何もしなくても売れた時がありました。盲目的に安くすればいい、価格訴求すればいいと言う人もいました。POPの本でもこんなのでいいの?という直訳的なものが多いです。実際に訪日外国人にどのような販促をすればいいのかというものは見当たりません。そこで私がやってみたことをお伝えしたいと思います。
訪日外国人への販促!何もしない
売り場のコンセプトを決めて改善を初めた時には訪日外国人の比率は80%くらいありました。それでも販促はあえてせずに商品管理だけで対応しようと考えていました。
ビジュアルなディスプレイは訪日外国人に限ったものではありません。POPは直訳をできても心理に働きかける言葉選びや使い方は全くわかりませんでした。
それで販促は初めから諦めていました。
売れれば補充し、もっと売れればフェイシング数を広げるようにしました。売れ筋が見えてきたら売れ筋商品と分類の同じものを近づけたリ、同じような新規商品を導入するというものでした。
それはそれで効果がないわけではありませんでしたが、訪日外国人だからという販促とは言えません。
販促らしい販促は無いもしていないのですから当たり前の結果しか出ません。
やはり、売り場に商品を置いておくだけ、並べておくだけというのはつまらない売り場です。
訪日外国人への販促!直訳的なPOP

訪日外国人向けのPOPを作成する
次に行ったのは日本語で書いてあるPOPをそのまま英語、中国語、韓国語に翻訳して書き換えるということです。訪日外国人向けのPOPを作成して別立て設置するという方法です。
この方法は多少効果はあったような気もしますが全く効果もない商品もありました。ただの直訳的なPOPでは必ずしも訪日外国人の購買を促すことはできないと思いました。
もう一つ課題として出てきたことがあります。
売り場に日本語のPOPと訪日外国人向けのPOPが併存すると売り場がゴチャゴチャしてくるということです。商品よりもPOPばかりが目立ってくる、ディスプレイの質が落ちてきました。
1枚のPOPに日本語、英語、韓国語、中国語を併記する
一つのPOPの中に日本語と英語と中国語と韓国語を書き入れたものも作りました。どちらの国の人にも対応できるようで便利だというように思うかもしれません。
ところが結果はあまり良い結果ではありません。
POPがゴチャゴチャしますし余白がなくなってただの文字の羅列にしか見えない感じです。訪日外国人にはどう見えていたかはわかりませんが訴求力が弱くなる感じがしました。
日本語と英語、韓国語、中国語を併記する時には大きめサイズの用紙に余白を十分とって書いた方が見やすいように感じました。
それで訪日外国人向けのPOPは基本的に別立てで作った方が良いという結論です。その方が編集する場合にも書き換えが楽です。
その結果を考えると訪日外国人向けのPOPによる販促は直訳的なものでは伝わらないということです。言葉の微妙なニュアンスや価値観が伝わるような書き方がない、ただの直訳だけのPOPでは訪日外国人には伝わらないということです。
訪日外国人への販促!分かりやすい価値をアピール

営業を続けるうちに訪日外国人の購買動向が多少なりとも見えてきました。訪日外国人向けのPOPで有効なものが少しずつ分かってきました。
訪日外国人にはとてもわかりやすい価値観がいくつかあります。
「人気ナンバーワン」
「売上ランキング」
「最も売れています」
「限定」
「国産、日本産 」
「日本の伝統的な物」
「日本らしいもの」
ということは訪日外国人にとっても大きな価値ということがわかりました。こういう価値の商品やこういう価値をアピールすると反応が良いことがわかりました。微妙なニュアンスは伝えにくいですが分かりやすい価値は万国共通のようです。
また多くの訪日外国人は日本の製品、産品、食品について絶対的な安心感、信頼を持っています。日本人としてはとても嬉しいことですし誇りに思います。
なので日本国内の日本人による食品偽装や品質のごまかしには憤りを覚えます。ただ日本のお土産にはその信頼に応えるような品質でないものも少なく無いのが事実です。
中にはこういう商品もありました。
わかめを使った味噌汁の具の商品でしたが非常にコストパフォーマンスの良い商品でした。でも中身のわかめは中国産です。それを説明すると買い控える方もいました。私も試食してみましたがそれほどおいしいものとは思いませんでした。
別の使い方を日本人向けにはアピールしましたが訪日外国人にはPOP などの販促はしませんでした。 販促をかける時には期待を裏切らない商品選定がとても大切と思います。
それは訪日外国人であろうと日本人向けであろうと同じことではあると思いますが。
訪日外国人が求めた販促に対応する

訪日外国人に対しての営業を続けるうちに訪日外国人から求められる販促がありました。
●この商品がどこの産地のものであるか分かるようにして欲しい
食品に多かったのですが日本産には絶対的な信頼感がありました。
●この商品には在庫があるかどうか分かるようにして欲しい
見本ははやたら触るのですが買うのは在庫ということです。
●この商品の食べ方は?どういう使い方? を教えてほしい
昆布でも出汁用と煮物用がありその区別がわからない。
●この商品は日本製かどうかが分かるようにして欲しい
工業製品も中国製品が多いですが日本製品にはやはり信頼を持っています。
●試食ができるかどうか、試食させてほしい、見本を見たい、触りたい、
試食はとても効果がありました。見本もできる限り出しました。
というものでした。
いつも同じことを聞かれるのでPOPで書くことにしました。それを書くことによってスムーズに販売することができ販売数の底上げになりました。
前述の
訪日外国人にとってわかりやすい価値のPOPと
訪日外国人から聞かれることに対応するPOP
この2つが訪日外国人に対しての販売促進の柱になりました。
あとは試食と見本があれば
訪日外国人対しての販促はこの3つで十分だと思います。
訪日外国人への販促のまとめ

商品管理で細かく対応する
フェイシング数、棚割り、品揃えは営業しながら反応を見ながらやっていく。
訪日外国人への販促POPを設置する
「人気ナンバーワン」、「売上ランキング」、「最も売れています」、「限定」、「国産、日本産 」、「日本の伝統的な物」、「日本らしいもの」という分かりやすい価値は直訳的なPOPを別立て設置していくと効果がある。
訪日外国人が求めた販促に対応する
お客様は販促を暗示するものですのでそれに対応すればいいのです。
訪日外国人からよく聞かれる問い合わせや質問に応える。
訪日外国人からよく要望されることに応える。
おわかりだとは思いますが
訪日外国人、日本人に限らず販促というのは
お客様のニーズに対応することだということが分かります。
そのためには
ニーズを受け止める仕組みが必要だということが分かります。
そして
訪日外国人と日本人とでは明らかに違う価値観があります。
それに対応するには仮説・実行・検証しか無いということです。
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訪日外国人への販促についての参考になる記事はこちら
「訪日外国人の販促!観光売店が知るべき日本のお土産ランキングの誤解」