繁盛店を創るために第一番に行うべきコンセプト作り
「繁盛店を作る!お客様を増やし売上を伸ばし続ける12+35のノウハウ」の中から
『繁盛店になるために必要な個人商店のノウハウ』の基本となる
「コンセプト作り」についてお伝えします。
目次
繁盛店を創るために第一番に行うべきコンセプト作り
前回は【繁盛店を創るために行うべき3つの解決策】ということで、私が販売者という立場から
お客様、取引先の立場に立ってようやく解決策を見出せた流れを書きました。
前回記事はこちら↓
https://urupop.com/2018/10/05/hanjoutensitenkaeru/
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この視点を変えるということはとても大切なことです。
自らの視点を変えることができれば売上回復の3分の1は解決したようなものなのです。
そして私が始めたことは次の3つのことです。
- ストアコンセプト
「誰に」「何を」「どのように販売するか」というお店の考え方を決めることです
- 売れる理由・買う理由づくり
「買いたいと思っていなかった」を「買いたい」に変える価値づくり
- 価値を表現して伝える
価値を「六感訴求」「AIDMAの法則」で伝え「購買動機を喚起する」
今回は「ストアコンセプト」について書きます。
ストアコンセプトがどうしても必要になってきた
売上が低迷していた頃、売場の廃止が検討されていました。
販売だけではない売場の役割がなければ廃止になっていたでしょう。
でもこの売場はやめられないからあるのではなくそもそも必要なのだという考えがありました。
売れる、売れないで必要性が決まるのではなく多く売れなくてもこの売場は必要なのだという考え方があってもいいはずです。
売り場の存在理由という考え方です。
この売り場はそれまでも一所懸命売るつもりで運営していました。
その結果が売上の激減でした。
それでも
売り場を廃止できないのであれば、ではどうすればよいのか。
どのような売り場にするか、一から考え直しが必要でした。
それがストアコンセプトを決める根拠になりました。
ストアコンセプトとは
「誰に」
「何を」
「どのように売るのか」
というお店の考え方です。
次のように設定しました。
ストアコンセプト
-
誰に
日本人で、北陸以外の方で
美味しい物、海産物好きの方
個人旅行でお土産不要の方を
メインのお客様として販売促進で働きかける。
その他のお客様については商品管理で対応する。
-
何を
北陸に来て買える物
美味しいと自信を持てる物
価値があり誇りの持てる物。
-
どのようにして販売するか
商品の価値を抽出し、表現し、六感に訴えて伝える。
お客様の8割は外国人ですが敢えて日本人をターゲットに設定する。
商品管理の面では外国人の方に対応することは可能だが
販売促進の面では外国人の方の価値観や美意識や感情が
わからないので働きかけようがない。
団体旅行のお客様をメインターゲットとしませんでした。
年々団体旅行が減少し個人旅行が増えているということが一つ。
もう一点は個人のお客様にとって価値あるものは
団体のお客様にとっても価値あるものだという考え方からです。
お土産不要のお客様をメインターゲットとしました。
お土産需要も年々減少しています。
お土産が必要な方は
ストアコンセプトで売りたいものとする
自身がおいしいと感じたもの
価値があると感じたもの
北陸に来て買えるものが
お土産に最適と考えるからです。
このストアコンセプトに基づいてレイアウト変更を行いました。
売れるものを売れる場所ではなくストアコンセプトに基づく商品を売れる場所にもっていきました。
また食品を多く扱っていましたが試食が多くなりました。
ストアコンセプトに基づく商品を品揃えさせ続けるため、あるいは新規で仕入れるため委託販売でありながら売れ残った商品は私が買って取引先の商品ロスとならないようにしました。
それは売上が2倍以上になった後もそうでした。
それくらい取引先は商品を卸してくれないという思いが強いですし取引先の厳しさがわかるのです。
ストアコンセプトを表す実例
ストアコンセプトを決めた際に今あるすべての商品について存在理由を確認しました。
新たに商品を調達することは全くできませんでしたから品揃えから外すわけにはいきません。
何とか理由をこじつけて品揃えを継続するしかありません。
それでもストアコンセプトに合わない商品は隅の方にもっていかざるを得ません。
その作業の中での「昆布】の扱いについて書きます。
「だし昆布」、「早煮昆布」については日本全国スーパーに行けばどこにでもある商品です。
産地もほとんどが北海道産です。
何故「北陸に来て買えるもの」として品揃えが必要か?
いろいろ調べた結果、北陸でこそ昆布を売らなければという思いがしました。
その調べたことをPOPに長々と書き連ねました。
この文章を読む方もこの文章に感化されて購入を決定する方も少ないと思います。
それでもこの文章を掲げることがこの商品、売り場の存在理由の表明、ストアコンセプトのシンボルともいえるものなのです。
このストアコンセプトによりお店の販売状況が変わってきました。
以前は売れなかった個人客にも、商品管理だけしか対応しない外国人にも、メインターゲットではない団体のお客様にも売れるようになりました。
それまで販売の難しかった伝統食品が売れるようになりました。
私の売場では売れ続けている商品が他のお店では売れ行き不振で取引先が扱いを止める商品が出てきました。
ストアコンセプトがなければ存在できない
それまで売上を上げようとして取り組んでいたのに売上が激減しました。
震災の影響だから仕方がないと思ったお店はその後、復活することはありませんでした。
見方、視点を変えざるを得ませんでした。
どうしたら売れるか? から 買いたいかな~?
という見方に変わりました。
そうすると自分が今まで良いと思っていた自分のお店がお客様から見てどうなのかな~という
疑問が出てきます。
すべてのお客様を満足させるお店、商品なんてあるわけがない。
だとすれば私のお店は
どういうお客様に価値あるお店で
どういう商品やご利益が価値あるもので
どういう提供方法がお客様に最も適切か
を考えることになりました。
それがストアコンセプトを決めることにつながったのです。